鳥籠に囚われた姫 縛め
「あうっ」
夜着越しに、すみれの全身を精神の鎖が走り抜けた。
振り返ったすみれの目に斎藤一が映った。
「恐れていたことが起きたか。悪く思うな。お前を縛める」
縛める。精神の鎖で、相手の動きを封じることである。
雁字搦めにされたら最後、体力のみならず、気力も特殊能力すらも奪う。
すみれの肌を縛めながら這い回る鎖。胸を搾り上げるように拘束し、手足の自由を奪い去られてしまう。
「あっ、いやぁ、兄上さま、やめてください~」
すみれの小柄な体が小刻みに震え始める。
涙が頬を濡らす。
「少しの辛抱だ。お前のためだ。耐えろ」
斎藤は悶え苦しむすみれを直視できなかった。
目をそらし、だが、精神の鎖の縛めはより一層強めた。
すみれの全身がえび反りになる。
「うああ~っ!」
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